本来の目的とそのための手段を考える

ここ最近、毎回のブログの更新でコロナの感染状況に触れますが、予想していた通り連日、感染者数の記録を更新しています。

検査体制も追いつかない今の状況であれば検査していない感染者はもっと多く市中に潜んでいることでしょう。

幸いなことに現時点で大学側から活動に関しての制限は出ていません。

とは言え、この状況ではいつ誰がどこで感染してもおかしくないわけで、部内でも今一度、感染対策を徹底しこうと周知したわけですが。

そんな矢先、コロナ騒動ではありませんが、本日の練習では水上での衝突事故が発生してしまいました。

こちらも幸い、互いに怪我がなく、艇の損傷程度で済みましたが、安全対策についても再徹底して行かなければいけないことを改めて痛感しました。

コロナ禍によって一時期のボートコースの混雑ぶりは解消されましたが、自身がどんなに気を付けていたとしてもコースには発生し得るリスクが潜んでいるわけで、そのことを当事者は改めて思い直したことでしょう。

こちらも万が一の事が起きることのないよう、細心の注意を払っていくつもりです。

さて、本日は久々に吉澤とダブルスカルでの練習となりました。

先週、クォドで共に乗った際には以前からの個々の成長を感じはしましたが、吉澤に至っては、やはり夏終わりから新人戦に出漕するために長くシングルスカルを漕がせることになっていたため、少し悪い癖も感じていました。

ですからこの春に向けては重点強化選手と位置付けて、マンツーマンで基礎を中心にもう一度教えていこうと決めてもおりました。

今日はTDから始め、ひたすらノーフェザーによるノーワークを中心にただただ漕ぎ続ける、そんな練習をしました。

ゆっくり長く、本来の体の動きを一つ一つ確認しながら、そしてまたそこに加わるハンドルワークと艇を進める感触をじっくり感じさせることが目的です。

私が高校時代にスイープ経験しかないことは以前にも触れましたが、大学入学後、ちょうど新人戦に向けてシングルスカルを本格的に漕ぐときに一人の社会人選手から教わったのが、「水上で歩くことからはじめてみる」ということです。

正しく歩くことができないのに君は走れるの?と問われました。

そんな当たり前のことですが、これは実はずっと自分のスタイルの基礎にもなっています。最後のインカレに向けて開始したときも、昨年、社会人選手権に出るために乗り始めたときもそうです。

この水上で歩くことを意識的にやることで、体の動き、オール捌き、艇速、すべてが連動して一体化することで、自らが艇を進める感覚を研ぎ澄ませてきました。

実際に今も指導の際に言葉として使うこともありますが、これを理解するには自らがその感覚を研ぎ澄まし、覚えていくことが重要だとも思っています。

今日の練習では吉澤にレッグオンリーを課して、ひたすら二人でレッグオンリーを漕いでみるわけですが、その言葉を聞くなり、体の使い方だけを意識し過ぎて、オールや艇が体と分離されてしまうのです。

レッグオンリーとはこういう漕ぎ方だと教えてきたので、当然そうだなと思いますが、自分では無意識にやっているレッグオンリーで艇を進めるこの感覚、これがまだ理解できておらず、私もきちんと伝えることが不足していたことにも気づきました。

具体的に言うとテニスの例を出しました。

初めてのテニスで何を教えるかと言うとラケットを使ってボールを相手のコートに打ち返す、ではないでしょうか。自身はテニス経験もないので正しくは分かっていません。

ただ言いたいことは道具を使うスポーツなのに、道具を使いこなすことを教えずに体の使い方だけ言い続けているため、体をその通りに動かすことだけが目的になり、オールや艇を使いこなすことができず、レッグオンリーという漕ぎのイメージをひたすら行おうという意識を作ってしまっているのが今の現状です。

もちろん、ボートでもテニスでも基本の動きはあるでしょう。ですが、ボールを打ち返す、艇を進めるの基本ができないとゲームにもレースにもならないわけですから、もう少し本来の目的をこうした時間があるときにこそ、しっかりと伝えていかなければいけないのでしょう。

テクニカルドリルはなんのために実施しているか、アップの一環、分解によるボディチェック、ハンドル高さの確認、ペアとのレンジ、シンクロ確認などなど、さまざまあることでしょう。

でもその意味を自身が考えずに、ただ練習の一環だと行うことは一番無駄なものになることでしょう。

トレーナーの中野さんがよく口にする、「無駄なことをするくらいなら寝ている方がいい」というものそのものですね。

ボートにおける目的はいつだって艇を誰より速く進めることです。そのための手段をどう考えるか、再度考えを改めていかねばならないと感じる、とある一日でした。

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