すべては目標のために

秋晴れの中、先週末は戸田スプリント、県民・市民レガッタが戸田ボートコースで開催されました。

以前までは『クリスマスチャレンジカップ』だとか、『クリスマスレガッタ』なんて名称で親しまれていましたが、いつしか名称が変更されていたようです。

当部ではそんなことは知る由もなく、クリスマスレガッタという名称にちなんでクリスマスを連想させるサンタクロースの帽子を被ったクルーで出漕していました。

チームカラーの緑にはこのサンタの帽子がやけに映えます。

県民・市民レガッタに初めて出漕したママさんクルーも緑の帽子にボート部ポロシャツともうすっかりなんだかサマになっていて、部員らも同志を得たかのようになにやら嬉しそうな表情を浮かべながら出艇を見守っていました。

このレース出漕に至るまでOBの田中さんの熱い指導のもと、練習を積み重ねてきたと聞きます。

私自身は関わることができなかったのを申し訳なく思いますが、練習する部員らの傍らで、保護者の皆さん自らが練習に励む姿は部員らにとっても大変刺激になったことでしょう。

またゼイナちゃんを加え、純粋に青学女子のみで参加となったTAクルーも前回出場時に比べ、技術も向上し、なによりレースでも果敢に攻める姿勢が見られるなど、奮闘してくれていました。

果たしてどちらに軍配があがるかとワクワクして見守りましたが、若さ?経験?が勝り、この勝負、見事にTAクルーが勝利をおさめたようです。

普段はどちらも傍から応援するだけの立場ながら、こうしてボート競技やレースに触れることで、より身近に感じていただけたのではないかと嬉しく思っております。

機会があればまた来年以降も果敢にチャレンジしてほしいものですし、こうしたことが伝統になっていけばいいと思います。

この戸田スプリントや県民・市民レガッタは毎年の風物詩として定着しつつあります。

スポーツの秋、そして埼玉県民の日などを祝して多くのボート関係者が集い、楽しむイベントですので、是非とも来年あたりはOB方にも声掛けし、ボート部としても盛り上げていきたいと思っております。

 

さて、この戸田スプリントには部員らもシングルスカル、ダブルスカル、そして千葉大学との混成エイトの3種目フル回転で出漕を果たしました。

小艇では結果は奮わなかったものの、エイト種目ではメダルを獲得したようですから、当初の狙い通り?となったのかもしれません。

ただ、新人戦を終え、どことなく少し気が抜けた状態も少し目につき始めているのが今です。

シーズンはオフ。たまの息抜き、そして自分自身らの漕ぎや練習を見つめ直すには良い機会ではあるものの、それが少し気の緩さにつながりそうな気配をこの大会では感じ取りました。

インカレ後に我々が掲げた目標は決してブレることはないもの。

だからこそ、厳しいことを言えば、今の1分1秒とまでは言いませんが、1回1回の練習、いえ、1漕ぎ1漕ぎに重要な意味があるのです。

皆さんは『エントロピー増大の法則』をご存じでしょうか。

エントロピー増大の法則とは、「物事は放置すると、すぐに乱雑で無秩序で複雑な方向に向かい、自発的には元に戻らない」という原理のことです。

たとえば、いったん部屋が散らかり始めると、どんどん汚れ、物が増え、収拾がつかなくなります。それはエントロピーが増大した状態です。

それを片づける、つまりエントロピーを下げるには、努力が必要です。

このエントロピー増大の法則と同じで、「これでいい」と現状に満足したところから、人は乱雑で無秩序で複雑な方向に向かい、進歩できなくなってしまうのです。

そして現状に満足してしまったら、欠点を見つけることもできず、どこに改善、改革の余地があるのかを把握せずして、進化していくことは不可能になるのです。

例えば仕事においても一年後の目標を立て、その目標を実現するためのタスク設計やスケジューリングをしっかりやったのに、日々の雑務に忙殺されて気づいたら当初の計画は破綻し、目標のことはすっかり頭から抜けていた、なんてこともよくあることです。

目標よりタスクの方が数も多く複雑なわけですから、私たちの思考は放っておくと複雑化するというのが一般的であり、これも一例です。

つまり、我々が一年後に掲げる目標にしても、日々の練習、そして行動に至っても、ただなんとなくで時間だけが経過し、このままでいい、これが正しいと思い込んでしまうことで、目標がいつしかただの願望や夢になってしまうのもある意味で普通なことなのです。

私はそうあってはいけないと常に心の中で異を唱えています。

ここしばらくの部員たちの行動を見ていると、このエントロピーが増大してしまっていないかと疑問に感じることも多々あります。

部員数も減り、楽しくやることは今まで以上に必要です。

それでも練習の中でもレースの中でもメリハリは必要です。

青学ボート部の良さは自由度が高く、上限関係もないフラットな組織です。それが目指すべきチーム像です。

ただ、自由という言葉は一つ間違えるとルールや規則すら無視することにつながりかねないことを改めて感じたのもこの日でした。

楽しさの中にも厳しさは必要です。その厳しさは練習の内容だけではありません。

組織として、チームとして、守るべきこと、求めていくこと、これを皆が立場に関係なく、『すべては目標のために』と言い合える関係こそが必要なことだと感じています。

人は失敗から学び、成長していきます。だから一つの失敗も糧にしていかねばなりません。

そして私自身も皆が迷わぬように、より良き方向に進むように関わっていけたらと思います。

今年も残りわずか。事故なく、無事に。そして来年への思いをより一層強く・・・。

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