まだ見ぬ世界へ

先週の今日、インカレを戦い終えたと考えると随分と時間が経過したようにも思えます。

その間、仕事に精を出しているものの、インカレという夏休み明けは気持ちも体もあまり戻らないものだなと実感もしています。

今週3回目になる投稿は、このインカレについて、そして今後の新体制について触れていきたいと思います。

前回の投稿で打ち上げの話しにすっ飛んでしまいましたが、最終日となる日曜日には3年生以下の選手と集合して、インカレのFinalレースを共に見ました。

それこそ3年前の2021年はまだコロナ禍真っただ中にあり、無観客を強いられていましたが、来年はこの舞台を目指すんだという思いで、当時の部員である鏑木、鈴木、吉澤とこっそり遠くから観戦をしました。

ちょうどその頃の世代が皆、引退をして残ったのもまた3人。これも奇遇というか奇妙というか、3人で部をまた新たに作り上げていくという思いは当時とあまり変わりありません。

大きく違うのは既にインカレ経験者である淡路がいることや、TAがここに加わり、少ない人数ながらも部として体を成していることでしょうか。

そのインカレ最終日ですが、特にFinalAと言われる決勝戦に至っては、相当な過酷なレースであること、また以前にも比べ高い壁であるというのを改めて感じました。

私自身、他人のレースに興味のないのは以前から変わりませんが、こうして直にまじまじと見てしまうとやはりここに挑むためには覚悟が必要なことも同時に思い知らされました。

共に見ていた部員らには果たしてこれがどう映っていたのでしょうか。

それこそ私の時代は4艇決勝でしたから1艇を除いてはメダルが獲れる恵まれたレース方式でした。もちろん優勝を狙う激しい攻防も繰り広げられますが、私のように3位が見えてくるとある意味、落ち着いて漕げるということもありました。

今は決勝も6艇レースです。優勝を狙いに前半から攻めれば本来実力的にメダル圏内だったクルーもメダル獲得を狙ったクルーに飲み込まれてしまいます。

実際にこうした激戦を目にすると目標をどこに置くか、それぞれの戦略やメンタル面も大きく左右してくるのだろうなと傍目からですが、そのように思考をめぐらせていました。

特に小艇に至ってはやはり高校からの経験者が多く活躍している印象を受けました。これはいつの時代も変わらないのかもしれません。

もちろん大学からの競技者も十分に渡り合える競技ですが、それはやはり並大抵の努力と覚悟ではできないことなのでしょう。

こうした舞台で凌ぎを削るために必要なことはなんだろう、と考えさせられるのもこのFinalレースを目にしたからこそであり、とても良い機会になりました。

そしてこれらを見終えて、早速、TAと結城さんも交えた新体制メンバーでこれからの部について話し合うMTGもこの日のうちに設けたのです。

こうした取り組みも実は今までにない行動で、インカレが終われば自然と休息期間やリフレッシュさせていたのが常だったものの、今回は敢えてこの機会に来年に目を向けることを意識させたのです。

そのMTGでは各々が今感じること、思うことを自由に吐き出してもらいました。

選手だけでなく、TAにも葛藤というか迷いの声はありました。

これまでの一生懸命の活動の中でも目に見えるほどの成果がでていないこと、自身らの活動や内容について本当にこれでいいのか、皆が自問自答をしながら過ごしたのがこの1年間だったのではないでしょうか。

だからこそ、来年のインカレに向けては今のままではいけないことを誰もが再認識しており、ここからどう行動で変えていくかを考えることが必要でもあったのです。

この日、皆で話し合った結果、来年のインカレにおける具体的なチーム目標を一つ定めました。

それは「来年のインカレでメダルを獲ること」です。

前述したFinalレースのレベルの高さ、そしてその中でメダルを獲るということがいかに難しいことかとは皆が肌で感じたことですが、あえてその目標を掲げた意味はその覚悟の決意表明にもありました。

口にするだけの目標は誰でも言えます。

私はいつも言葉には責任があるという信念を持っています。

だからこそ皆にもその覚悟があるかを問いましたが、誰一人これをただの夢のような目標とは思っていませんでした。

そう考えても2021年の当時から一回りも二回りも部として大きく成長しているのでしょう。

私たちのボート部はいまだに認知度が低い、これが今置かれている状況です。

大学界でももちろん、高校界でも青山学院大学にボート部があることはあまり知られていないでしょう。

今年はあえて今までにない広報戦略を繰り広げてみましたが、その効果がどこまであるかはわかりません。

部が強くなるための方法の一つに母数を増やすことがあると私は部員らに伝えていました。(それが今年の広報戦略に至った理由の一つにもなっているわけですが)

やはり部員が増えれば部内競争による底上げが期待され、自然と強化されるのが一般的です。

ですが、もう一つの方法はあまりこれまでも期待していなかった高校経験者らの加入です。

これは推薦制度として確立していないが故にこれまでも用いらなかった戦略ですが、それはあくまで〝能動的には〟という意味があります。

ですから〝受動的に〟と考えるならば経験者が当部を目指してくる、そんな仕組みを作るためにもやはり今の体制の中で結果を出していくのが一番効果的な方法でもあるのです。

だからこそ、これからの新体制にはそんな使命を背負ってもらうこともあえてこの場で伝えたつもりです。

歴史を作る偉人はそれだけの覚悟と使命を背負い、道を切り開いてきたことが一般的です。

たった3人になった選手、そしてそれを支える3人のTA、心もとない我々指導者たちですが、志があれば決して成し遂げられないことはない、私はそんな風に思っています。

だからこそ、具体化した目標に向けて、これまでを振り返り、どう変えていくか、どう行動していくか、思うがままに考えさせる1年にしたいと思っています。

思ったらすぐに行動に移す、それが仮に失敗したとしても更なる改善のために考えて行動する。

一般的なPDCAと何ら変わりことなのですが、やはりこれがすべて機能してきたかと言えば私はそうではないと感じています。

実行(Do)だけはこれまでも行ってきての今です。ですが、これだけでは今のままでしかないことを皆が自覚し、これからは計画(Plan)、評価(Check)、改善(Action)こそ徹底していかねばならないのです。

ブレインストーミングとまではいきませんでしたが、幸い、これから何をしたいかのアイデア出しには多くの意見が出ました。

これらアウトプットした内容を一つ一つしっかりと実行しながら、試行錯誤を繰り返していくことが重要です。

これまでの当たり前を捨て、これからの当たり前をどう作っていくかで組織も人も生まれ変わります。

これが絵に描いた餅にならないためにもTAがいてくれていることのありがたさも実感しています。本当にすべてにおいて3年前とは大きく違いますね。

ここから3年後、私たちはどう変化しているでしょうか。

それは淡路、飯尾、白川の3世代にかかっています。

咲果ちゃん、瑞希ちゃん、優奈ちゃんらのサポートにかかっています。

結城さん、亮太、そして私でまだ見ぬ世界へいざ行こうではありませんか。

青山学院大学ボート部はこれからも更なる成長を続けてまいります。

どうぞ末永く、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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