インカレを終えて二日が経過しました。
今年も盛大に打ち上げを開催させていただきましたが、その後の部員らはインカレナイトに赴いたのでしょうか。
以前とは違いながらも、インカレの夜に戸田のコースで練習する大学同士が交流を図る機会がインカレナイトとして今もあるようですから、これはボート部に属する選手らにとってもいい交流機会なのだと個人的には思います。
もちろん過去には色々な汚点?黒歴史?など、トラブルが多発するようなこともあったようですから、コロナ禍含め自粛期間もあったとは聞いています。何事にも限度はあるのだと思います。
当の私自身はと言うと実はインカレナイトにはそれこそ思い出も記憶もありません。
恥ずかしながら鎖国主義を貫いていた若かりし頃の時代でしたので、それこそメダルを取った最後の年ですら後輩らだけはインカレナイトに顔を出したようですが、私は参加していなかったのもある意味で懐かしい思い出です笑
さて、話しは当部の打ち上げに戻ります。
昨年から再開したインカレ後の打ち上げ。場所も今ではお馴染みとなってきました。
今年は卒業生の鏑木も参加してくれ、盛大に開催することができました。
時間を迫られた関係もあって、部員らから直接、先輩らへのメッセージを聞く機会が作れなかったのが反省点ではあるのですが、4年生3人からは引退にあたっての思いを涙ながらに語ってくれました。
こうした光景を見ながら本当に良い部になったんだなと改めて感じます。
それぞれが部に対する熱い思いをもって4年間を過ごし、巣立っていくことは寂しくもありますが、同時にこのような光景を見ると指導者としても感慨深いものがあるのです。
部員らへのメッセージということで一人ひとりに書きしたためて発表していた鈴木には改めて〝らしさ〟を感じました。
不器用だけど一生懸命で、真っすぐで何より優しい男です。
彼が初めてここを訪れた時のことは今でもはっきり覚えていますが、それこそ入部前からボート競技に興味を持っており、すでに入部前提でいたことに少し違和感を覚えました笑
なんせ当時は鏑木が唯一の部員であり、二人してこの状況に迷わず入ってこようとしているわけですから疑ってかかるのも無理はありません。
それでも多くの同級生をボート部に連れてくるなど、彼のまわりにはいつも人が集まってくる、そんな存在なのだろうと瞬時に見て取れました。
それは入部しても変わることはありませんでした。他校とのつながり、後輩への関わり方、どれをとってもこれほどまでに真摯に向き合い、接することができるのは私の人生で見てきた中でも稀な存在です。
本人は1年当時の頃に私が投げかけた「君は大成するよ」という言葉をずっと覚えてくれており、その期待に応えられなかったと不甲斐なさを詫びていましたが、そんなことはまったくないのです。
もちろん結果だけを見れば本人にとっても目標としたことを成し遂げられず、後悔はあるでしょう。
それでも結果だけがすべてではないのがボートの良さであり、多くを学べる環境だったのですから。
それはきっと本人が一番分かっていることでしょう。
ですから、きっとボート部を離れた後も人徳のある彼の個性は様々な場所で活かされることでしょう。これからの活躍が楽しみでなりません。
そして同じく4年生漕手の吉澤についてもこの日も相変わらず多くを語らず、それでも部への感謝と思いがひしひしと伝わってくれる言葉を残してくれました。
多くは語らないが故に、損をしてしまうかもしれませんが、それでもいつも胸に熱いものを持っている男です。
この日は隣の席に座り、投げかけたメッセージの後にも涙してくれ、4年間共に過ごせて本当に良かったと改めて思える瞬間でもありました。
きっと彼自身も悩み苦しみ、一時は離れることを選ぼうとしたに違いありません。
まわりからも「吉澤はどうなんだ」と言う声も実際に聞こえてきましたが、私自身はずっと信じると言い続けました。
その期待に応えてくれたのも先日のエルゴ測定でした。
結果、一度もインカレという舞台に立たせることができなかったものの、それでも彼と見たインカレの景色、レースでの彼の雄姿はこれからも忘れることはありません。
吉澤自身も監督としての私を信じ続けてくれたと知っているからこそ、今はありがとうという気持ちで一杯です。
この先ももしかすると苦難が待ち受けているかもしれません。それでもきっとここでの成功体験や出会い、気付き、すべてが彼の強みになってくれると信じています。
そして、TAの智帆ちゃんです。
誰よりも厳しい目で部の成長を願い、支え続けてくれた第一人者が彼女だったでしょう。
2年生になってからの途中入部だったので在籍したのは約2年半でしたが、その存在感は人一倍でした。
この日も珍しく言葉を詰まらせて、涙を見せまいとする強さも彼女の特徴でした。
練習の際にビデオ撮影をする智帆ちゃんのところに近寄り、話しをするといつも彼女の見ている先は自分と同じ感覚にあるのを感じました。
目標や勝負にとことんこだわり、強い信念をもって貫き、やり遂げようとする彼女の強さは他の選手らにはない感性であり、個性でもありました。
コックスをやることも進んで協力してくれ、ミーティングでも思いの丈をはっきりと述べ、いつも陰で部を引っ張ってきてくれていたのも彼女でした。
そんな存在である彼女が抜けることはボート部にポッカリと穴が開いてしまったかのように感じるところですが、その思いは後輩TAたちにもしっかりと受け継がれていることも感じます。
そしてまだまだこれからもきっと部の発展や成長を見届けてくれることでしょうから、引退後でも逞しい存在でもあると思っています。
最後にインカレ初日と二日目に顔を見せてくれたラキ君にも直接御礼を述べたいところでしたが、残念ながら打ち上げには参加できなかったので、またの機会にメッセージを伝えることにしようと思います。
私の監督としての新フェーズに突入して2年目の送り出しです。4人の4年生がここで部を一旦離れることになりました。
出会いもあれば別れもあるのが人生です。
その度に強く、逞しく成長していけるからこそ、これからもこのボート部としての物語は続いていくのでしょう。
少数となる新体制ですが、それを感じさせないほどの熱意を十分に感じている今です。
そう感じたエピソードもあるのですが、それはまた次回に・・・。
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