大学スポーツとこれからの在り方

ついに冬の到来かと思われた先週末。全国各地で厳しい寒さに見舞われました。

私自身は予ねてより計画していた遠出により、予定時間に戻ることができず、結局は練習に参加することができませんでした。

それでも今年初となる雪景色を拝めるなど、日常とは少し違った週末を過ごすことができました。

部員らはと言うと通常の練習に加え、日曜日午後からは中央大学と合同でエルゴを行ったようで、その内容もさることながら、中央大学の選手らのパフォーマンスを見て現状を痛感させられたようです。

新人戦でご一緒させていただき、親交が深まると同時にこうして上のレベルを肌で体感できる機会は本当に刺激になります。経験者中心の大学が、こうしてうちのような大学を広く受け入れてくださることは戸田ボート界の新たな試みの一つ、好事例にもなると思います。

こうした取り組みに感謝しながらも、双方にとってプラスな関係になるために我々も更なる努力をしていかなければいけませんね。

そして、今はまだ遠い存在かもしれませんが、これに追い付け追い越せの精神でエルゴスコアを上げていかなければ全国上位は望めない、それが現実なのかもしれません。

ですが、こうしたフィジカル面は自身の努力次第でいかようにでも変えられます。ハッキリ言えば私が指導しなくとも、個人で目標を定め、自身でそれに向かって粛々と取り組む。

これが現在行っている目標管理の一つでもあるので、しっかりと計画、実行、評価、改善というサイクルの中で成果を出していってほしいと思います。

 

さて、週末に練習に参加しなければ書くこともないのが通常ですが、今日は23日(木・祝)に行われた関東の高校生向け大学ボート部説明会について触れさせていただこうと思います。

この企画、監督会を通じて連絡をいただいたのですが、私はこれは良い!と思えばすぐに行動に移すタイプですので、ここでも即座に反応し、参加申込をしました。

後日、送られてきた当日のスケジュールでトップバッターとなっていたので、あいうえお順かなと思いながらもよくよく見てみると申し込み順とのことでした。

何事も1番を目指すのが信条でもありますから、トップバッターであることもそう、そして内容もどこにも負けないものにしたい、そういう思いでこの日に向けて準備も進めてきました。

 

そもそもこうした機会はなぜ今まで持たれていなかったのか、私としては不思議でなりません。

今回の主催者である東京都ローイング協会の主旨説明では、都全体の競技力向上の重点項目の一つとして、より大学と連携した選手育成が必要であること、またその背景には高校経験者が大学に進学してボート競技を続けるケース自体、そう多くないとされていました。

よって、こうした機会を作ることで、早期に大学での競技継続を目指すことで、高校生の競技意識も上がってくることを期待するというものでした。ですので、今回の対象となったのは高校1,2年生が中心でした。

本来、高校の部活動、大学の部活動の考え方は大きく異なります。

大学スポーツはどちらかと言うと高校時代に競技で結果、戦績を残したものが次なるステージとして選択することが多く、大学側もこうした選手やチームの強化を重点に置いているため、他の一般入学生への門戸を開くことは稀です。

これは現在のボート界でも共通している印象で、特に戸田にある各大学の中でも半数以上を占める割合で、そうあると思っています。

ですからこうした状況が、ボート競技においても高校経験者が大学で競技を続けることを閉ざしてしまっている一つの要因になってはいないでしょうか。

(そもそもこれだけ多くの大学がある首都圏においてボート部がある大学の数に限りがあり、新たに競技を始めることや、どこに進学しても続けられる環境下にないことも問題ですが)

私はこれに異を唱えたい人間です。

むしろ高校時代なんて身体の成長が伴わないこと、環境面や指導方針で伸び悩むことだってあるでしょう。成長過程にさまざまな要因があることを考えれば、一日の長がある経験者こそ是非とも大学で競技を続けるべきと考えています。

それが本来の実力ではなく、また競技経験は本学のように未経験者が集う部においては必ずと言っていいほど、重宝され、他の部員へ還元してくれることを期待するものです。

こうした環境に身を置き、自身も成長し、ひいては競技人口の増加、指導者の育成、こうしたつながりの延長に競技の発展があるのだと考えています。

いわゆる競技全体の普及による底上げですね。それは競技の発展だけでなく、競技知名度の向上にもつながりますが、、、それは本題から外れるのでまた改めて。

 

いつもながら話しが飛躍し過ぎていますが、今回の企画を通じて、大学側から何かしらのメッセージを発信できる機会になることはもちろん、大学ボート部と聞くと恐れ多いと感じる高校生も少なからずいるでしょうから、まさにそんなイメージすら払拭できる機会になればいう思いも持ち合わせていました。

そして私自身、予ねてより、高校競技経験者に向けて当部の魅力を伝える手段、方法を常に模索していましたので、この機会に改めて自身が考えていることを整理し、同時に部員らにも発信する場として活用させていただきました。

ですから当日は多くの部員にも同席参加してもらい、私がこの部で何を目指しているかを参加してくれた高校生と同じように伝えたつもりです。

このメッセージがこの日、聞いてくれた皆の心に響いているか、また共感してくれるか、それは正直分かりません。

それでもブレない軸をもって、目指す姿は皆にいつなんどきでも示していきたいと思っています。

この日、話した内容についてはまた改めて広く公開していけるように今、準備も進めていますので、時期が来ましたらお知らせさせていただきます。

 

ちなみに前述の通り、当日はトップバッターを務めたわけですが、それ以降の他大学の説明を実は聞いていません。

本来は各大学の特色や考えを知るいい機会でもあったのですが、この日は公認コーチの更新研修も控えていたため残念ながら断念をしましたが、参加された大学それぞれが、素晴らしい発表をされたのだと思います。

この日、参加した大学のみならず、今後もこうした機会が増え、ボート競技、そして大学ボートの魅力を多くの大学が、発信していくことで、競技継続者が増えていくことを期待しています。

近年、関西地方を中心に、またその他の地方において大学ボート競技がめざましい発展を遂げていると感じています。

当時、私の現役時代なんかには聞かなかった大学の名前もこのボート界で聞こえてくるようになりました。

むしろ戸田だけは今も昔も変わらずに時が止まっていないでしょうか。コース沿いに立ち並ぶ大学艇庫は建て替えこそされて綺麗になりながらも、新規参入がしづらい環境は今の時代でも変わりません。

戸田だけでなく、東京都心には新たに海の森水上競技場が建設されました。アクセスはもとより、より整備された環境は本来活用すべきものでありながらも、現時点でなんら変わる兆しがないのも寂しいものですよね。

こうした状況で当部に何ができるかは分かりません。

それでも休部、そして部員ゼロからの成長を遂げている今、私たちにしか証明できないこともあるのだと思います。

そうした使命?を背負いながら、これからの大学ボート、大学スポーツの在り方を考えていきたいな、なんて大それたことを思っています。

なんだか話がかなり飛躍し過ぎていますかね笑

それでも人が集い、人が育つ場所には必ず理由があります。

人口がますます減り、高齢化が進む、この国の未来に希望を持つには若者が成長できる環境を作り上げることです。

この日、説明した私の目標を成し遂げるためのチーム作りは彼らの成長こそがカギとなると伝えました。

困難な道のりです。それでも、それだけの価値を見出すことこそ、戸田の地に置いて、いえ、ボート界だけでなく、大学スポーツにおいてどこにも恥じることのないものだと信念をもって、これからも進んでまいりたいと思っています。

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