本日は通常の活動報告とは違い、時期が迫ってきた本学への入学選抜試験、そしてボート部としての考えを述べさせていただきます。
さて、あまり知られていませんが、青山学院大学には、ボート競技での実績を利用して受験できる“スポーツに優れた者の入学選抜“という総合型選抜(旧AO入試)があります。
今回、この場を使いまして“本学のスポーツに優れたものの入学選抜とは?“、”本当にチャンスがあるのか?“、そして”私自身がこの試験についてどう考えているか“といった内容について紹介させていただきます。
高校でボート部に所属し、“スポーツに優れた者方式“で〝青学〟にチャレンジしてみたいと考えている方は是非読んで今後の参考にしてみてください!(長文につき、内容に興味のある方のみお付き合いください)
ちなみに、本日(9/16)時点では2024年度の入学選抜制度の出願書類提出期間は10月23日(月)~10月26日(木)となっていますので、これからまだまだ間に合います。
そうです。場合によっては、これから開催される国民体育大会の実績次第で出願も可能ですし、何より、他大学の狭き門へのチャレンジを諦めた方、ボート競技を大学でも続けたいと考えなおした方、そんな方々にもまだまだチャンスがあるのです。
スポーツに優れた者の入学者選抜とは
スポーツに優れた者の入学者選抜は、スポーツにおいて特に優れた技量、指導性を発揮することのできる者を対象にした入試形態です。
このような入試形態を設ける目的は、スポーツで培ったリーダーシップや助け合いの精神を兼ね備えた学生が、キャンパスに活気をもたらすと同時に、大学生活でさらに能力を蓄え社会に指導的役割を持って還元するというものです。
これまでの高校生活で全国大会出場レベル以上の成績を残してきた方や、学業とスポーツどちらにおいても強い学びの意欲がある方にピッタリな入試形態であると言えます。
《スポーツに優れたものの入学者選抜の概要》
下記に出願資格をまとめました。まずは出願資格を得ることが最優先となります。
社会情報学部においては、「全体の学習成績の状況」が原則3.5以上の者であり、かつ、数学I、 数学II、数学A、数学B(数列・ベクトル)を履修していることが望ましい。
1次試験は書類選考による書類審査です。2次試験は小論での筆記試験と面接です。
【日程】
1次試験出願手続き 2023年10月23日~10月26日(Web出願10月12日~)
1次試験合格発表 2023年11月10日~
2次試験出願手続き 2023年11月10日~11月13日
2次試験 2023年11月25日
合格発表 2023年12月05日
入学時期 2024年4月
【募集学部・学科】
文学部 史学科、比較芸術学科
教育人間科学部 教育学科
法学部 法学科
経営学部 経営学科、マーケティング学科
国際政治経済学部 国際政治学科、国際経済学科、国際コミュニケーション学科
総合文化政策学部 総合文化政策学科
社会情報学部 社会情報学科
コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間学科
1次試験に立ちはだかる出願資格
まず、高校での評定平均が3.5以上であることが求められます。
これは入試要項にも記載されていますが、入学後は学業とスポーツ活動とを両立させる強い意志をもつ受験生を大学側は求めています。スポーツの実績は十分あるのに、評点平均が足りなくて出願できないことほどもったいないことはありません。総合型選抜(旧AO入試)で青学に入学するためにも、なるべく早いうちから学内定期テストで点数を稼いでおくことが必要となります。
出願に必要なスポーツの実績は、全国大会出場レベルです。
入試要項には、「全国大会に出場するための都道府県大会や各地域のブロック大会において、優勝または準優勝の成績をおさめた者」と記されています。上を見れば、オリンピック出場、インターハイ優勝などがありますが、全国大会に出場したという成績さえ持っていれば、出願は可能です。言い換えれば出願基準をクリアしている方も、インターハイで優勝した実績を持つライバルも、総合型選抜(旧AO入試)では、同じ土俵で戦うことになります。
ここから合格か否かを分けるのは、入学後における学業とスポーツに対する熱意、計画性だと言われています。出願基準を突破した方が、ライバルと差をつけるためには最も重要な志望動機・理由が必要であり、高校時代の光り輝く可能性をアピールすることが必要です。
あなたが大学で学びたいことはなんですか?スポーツに優れた者方式と言えど、大切なことは何かに熱中するほど学びたいという強い志があるか否かです。こうした点を言語化し、伝えることが求められているのでしょう。
何より学業との両立が求められる!
スポーツに優れた者方式で出願をするには、高校3年1学期までの評定平均が3.5以上必要であり、決して楽をして取れる評定ではありません。これは、高校生活を通して部活動だけに打ち込むのではなく、学期末試験等においてもある程度の成績を残す必要があるということです。
そして、大学側は、そんな部活動と学業を両立させてきた高校生に進学してきて欲しいといった思いがあります。どのくらい強い意志と計画性を持って両立してきたのか、そこが問われているのです。
さて、ここまで読んでくださった皆さま、誠にありがとうございます。もしこの推薦制度に興味を持った、検討したいという方がいれば是非お問い合わせください。
今回は高校でボート部に所属し、活動されている高校生のみならず、その保護者の方々、またこれから高校に入学し、ボート競技をはじめてみようと思う方など、青山学院大学に興味のある全ての方に向けて書かせていただいております。
高校時代にボート競技において実績を持つ高校生の選択肢として、私立の有名大学にスポーツ推薦で入学されるケースは往々にしてあると思います。
あくまで私の偏見、主観になりますが、自らがそうした大学に興味を持ち、その部でボート競技を続けたいと思われている方は実はほんの一握りな気もしています。特にボートの強豪校ともなれば、これまでの流れとして先輩達の辿ってきた道、また指導者側の思い、はたまた確実性を求める保護者のお考えなど、さまざまであると思います。それが自然なことでしょう。
私たち青山学院大学ボート部は、ご自身でこのボート部に興味を持ち、魅力を感じ、その意思で本学への入学、そしてボート部への入部を志す方を求めています。
確かに本学は試験制度の性質上、確約された保証は何一つありません。とても高い壁であり、それは出願資格からしても難関と言えるかもしれません。
当然、我々ボート部も入学、入部するまで選考に関わることがなく、他大学がどうかは知る由もありませんが、監督だからと言って、私には決定権も何一つとしてない受験方式です。
よって、この受験制度の仕組みや厳しさをきちんと説明することで、厳しさ、覚悟をもって受けてくれる方こそ待ち望んでいます。
そもそも受験というものは世の中の高校生の多くが確約などない中で、それぞれがつかみ取るわけで、決して確約を出さないこの試験制度がおかしいことではない、私はそう考えています。
スポーツ界だけにどっぷり生きてきた人間の感覚の方がずれてきているのでは?むしろそう思うのです。
本来はこうした試験制度の特性を理解し、強い意志をもってチャレンジしてくるからこそ、大学でも更に競技力としても、また人間として成長していくのだと思います。
最近は大学スポーツ界でおかしな事件が多いですよね。それは目先の強化のために競技力だけを追い求め、勉強の習慣もない学生を集めるから、招いたことでもあると私自身はそう感じています。
だからこそ、本学は両立を目指し、学業においても成績を残した方にこそチャレンジできる試験制度なんだと今では胸を張って言えるのです。
ですから当然、高校指導者に有力な選手をとお願いするようなことも一切ありません。
当時、私自身も全国大会なんかに赴きましたが、あの独特の空気の中、確約のない本学がどう入っていくか、難しさを感じましたが、改めて考えてみるとそもそも私が本学に入学してほしいのは高校でボート競技に夢中になり、厳しい環境でも向上心を持って取り組んでくれる学生自身なのですから。
ですから、戦績も体格も、ましてやエルゴ記録なんかもまったく気になりません。大学に入学し、このボート部で大きく成長し、社会に羽ばたいていける学生を育てたい、そんな一心で指導をしています。
そして、当部は経験者のいない未経験者の集まりです。
だからこそ、高校でボート競技を経験された方の入部は当然、歓迎もされます。その経験を部員らに還元して、活性化させたい思いはありますが、だからと言ってそれを特別扱いするつもりも毛頭ありません。
以前に比べて、部の強化に推薦入学の学生が必要、絶対と思うことはもうやめました。
そりゃそうですよね。ないものに憧れるより、目先の部員らに向き合い、育成すれば必ず結果を出せると信じているわけですから。
だからこそ私は部員らを信じて、一緒に歩んでいるのです。そして、それを証明するために私はこの大学を、このボート部を日本一にしなければならないのです。
こんな名も知れない監督一個人の夢に共感できる方がいるかは正直分かりません。
それでも高校時代に何か一つのことに夢中になり、実績をおさめたことは大変素晴らしいことです。それを武器として、かつ高い志をもって、この試験制度に挑み、是非、入学してほしいとは思っています。
もちろんこれはボート競技に限りません。他の競技において同様の戦績を持っていれば受験でき、その後、ボート部へ入部することだって可能な試験制度なわけですから、そんな新しいチャレンジなんかも楽しみにしています。
最後になりますが、この投稿内容はあくまで私見であり、他の大学の試験制度や、高校における部活動、指導そのものを否定するものでは一切ございません。とは言え、もし世にはびこった悪しき伝統があるならそこに一石を投じたい、そんな思いはあるのかもしれません。
スポーツ競技においてはついつい結果を出すことばかりが優先されがちですが、スポーツ本来の良さはもっと他にたくさんあるのです。
そのうちの一つで、私がもっとも大切だと思うことは『過程』です。この一つ一つの『過程』に関わる全ての方がどう立ち回るか、スポーツ界全体で、今まさにここが問われ、試されているような気がしているのです。
本学への入学、当部への入部、それも一つの過程に過ぎません。人生という中で、どのような過程を辿るか、短い学生生活だからこそ真剣に考えることを説いていきたい、そんな思いでおります。
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