現状を嘆くなかれ

先週末は数週間ぶりに練習に参加しました。もしブログの更新がしばらくないなと感じられている方がいれば、実はそんな事情でした。

昔に比べて週末に仕事で予定があることも随分と減りましたが、それでもまだ地域行事などに駆り出されることは多々あります。

週末に練習から離れて過ごするのも、ある意味でリセット期間になり、私自身にとってはボート競技について考えさせられる時間にもなります。

シーズンが始まるとほぼ待ったなしで進んでいくわけですが、部員らにも時には練習を根詰めてやり続けるより多少のリセット期間は必要なのかもしれません。

とは言え、他大学のボート部のように起床してすぐの練習環境で、毎日練習することが当たり前から比べれば当部の練習は少ないのも事実。

それを考えれば練習のない日も十分に取れているので、リセットまでとは言わずとも気分転換くらいにはなっていることでしょう。

この練習量の違いをどう質で埋めていくか、そしてやはり艇を進めることをいかに考え追求していくか、これがこの練習サイクルにおいて必要なことなのです。

さて、久々参加となった土曜日は私自身も部員らと共に直接乗る機会を作りました。

まだランニングすら禁止されており、競歩程度の運動からと言われているので、自身もそのつもりだったのですが、実際に一緒に漕ぎ始めるとやはりそうはいきませんよね。

この日は鈴木、上野とそれぞれコース2周ずつ漕ぎましたが、数か月ぶりということもあって、手にすぐにマメができ、陸に上がったあとは体が悲鳴をあげていました。

それでも一緒に乗って感じたことも多くあり、それを可能な限り伝えることこそ自分の役目でしたので、こうしてまた乗れることのありがたみも今は感じています。

鈴木と一緒に乗ったのはいつぶりのことでしょうか。それこそ3年前に入部したての頃はこうして一から教えていました。

その頃から比べると随分と成長したとは思ったものの、陸からでは感じ取れない、動きの中から艇に伝わるネガティブフォースなんかについて説きました。

特に艇を止める動きが強く、オールを操りながら艇の動きに反して自身が動いてきてしまうのも特徴的で、これがいわゆる『漕ぐ』漕ぎ方の一因にもなっているのでしょう。

ボートはオールで漕いでいますが、それで艇を進めるだけの単純なものではありません。

自身の体が動けばボートも動きます。むしろ自身が動けば動くほど、ボートも進んでいく、この感覚が必要だと私は思っています。

ボートを教える際の表現は三者三様ですので、異を唱える人がいるかもしれません。

ですが、やはりオールで漕ぐのではなく、オールはあくまで進めるために使う道具に過ぎません。

この使い方を誤ると進め方すら異なってくるのが、この競技の難しさです。

艇、体、オールこれらを上手く融合させられることこそ必要なことなのですが、それをどうやって行うか?と聞かれると上手く表現が見つからないのも自分の不徳の致すところ。

ただ、こうした考えをもっと表現できるようになってくれればまだまだ十分に伸びしろをあることも感じました。

それだけのポテンシャルはあるわけですから、引退まであと二か月余り。持てる力を存分に引き出してやりたいなと切に願います。

一方、怪我から復帰明けの上野についてもようやくエルゴや乗艇を短い時間で負荷をかけ過ぎない程度で開始できているようです。

この日、同じく一緒に漕いでみたところハンドルテクニックなんかにも成長を感じることができました。

口数少ないキャラですが、やはり向上心を持ち合わせており、今できる中で為すべきことも明確なのでしょう。

負荷はなくとも艇を進めることを優先して考えるにも良い時期ですから、こうして教えていけば飲み込みもやはり早いなという印象を持ちました。

よって、ある意味で収穫のあった二人との乗艇でしたが、練習後のMTGでは再度『オールを使って艇を動かすこと』、そして『体重を乗せたストローク』という2点をアウトプットしました。

説明の半分も伝わっていないか、もしくは言われなくとも理解していたのか、その反応からもあまり手応えはありませんでしたが、こうして考えを共有していくことはこれからもし続けなければいけないのだと思います。

 

そして迎えた翌日、朝の戸田のボートコースには全日本出漕を控えた仕上げのクルーが多く見られました。

そのクルーとの違いはやはりトップスピードを追求している中でもしっかりと水をとらえていること、艇を止めていないことが特徴でした。

そもそもトップスピードで劣っているのも今の当部の現状であり、課題です。

この差が今の当部と一線級のクルーとの見えない差であり、高い壁にもなっています。

ですが、むしろここさえ克服すればフィジカル的にも肩を並べることはできるのだと感じています。

大学から競技をはじめ、特にスカル系の小艇となればその感覚を養うには時間を要します。

でもその道をあえて選択し、挑んでいるわけですから言い訳するよりは結果を出すことが必要なのです。

 

さて、今週に迫った全日本ローイング選手権大会については昨日、棄権届を提出しました。

この結論に至った理由はいくつかあります。

日曜日の午後に本来積み込みするだったはずの車両に当部の艇が積まれていないのを見て、悔しい気持ちになりましたが、これが現状だとも思うのです。

部員らも同じように悔しく、歯がゆい気持ちでしょう。

ただ、現状を嘆くよりも今は行動することが必要で、これを機に奮起してもらう必要もあります。目標はインカレです。

今年、自身らが掲げた目標を現実にしたいのであれば日々の練習もモチベーションも含めて向上していかなければ到底たどり着けないのですから。

これをスキップした先に見据えるのは翌週の東日本夏季競漕です。

ダブルスカル、そしてクォドルプル。それぞれに明確な目標があるここで、しっかりと成果を出せるよう、残り二週間頑張りましょう!

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