台風が日本列島を縦断し、急な気温の低下に今朝は久しぶりにジャケットに袖を通しました。それでもこの肌寒さが心地よく、自然と心が弾む、自分にとってはそんな季節です。ボート界では、ビッグイベントであるインカレが終わり、先週末はほとんどの大学の艇庫のシャッターは閉まったままでした。
これから新人戦を目指す当部は予定通り、一週間ほどの長期オフを経て、日曜日に再集合をしました。とは言え、台風襲来で出鼻をくじかれ、午後の雷雨はさすがに危険と判断し、乗艇を途中で切り上げることになりましたが、それでも皆が揃って元気そうな顔を見せてくれたことが何よりです。
束の間の休息中、私自身も部活のことはほぼ頭から消えていました。かと言って、仕事に没頭するわけでもないですが、なんとなく無の境地として過ごす日々でしたが、それもあっという間のことでした。それでも土曜日には艇庫に足を運び、翌日の天気の影響もあるだろうと解散前に部員全員で塗装前の準備をしてくれたオールを片っ端から塗装しました。幸い晴天であったため乾きも良く、すべてのオールを新たなグリーンで塗り直し、活動再開に向けて気持ちを新たに、と心を整える作業にもなりました。
「インカレという高い目標」とは約1年前のインカレ終了時、またこのブログを始めたときの最初の投稿ですが、いざ挑戦してみて思ったことはやはり同様です。それでもチャレンジさえすることができなかった1年前から比べ、この舞台に立つことができたこと、そしてここを目標に部員らが大きく成長できたことの達成感はあります。
それでも満足しないのは皆も同じ気持ちなのだと思います。来年のインカレに向けてやるべきことは多くあります。当時、インカレを目指すにあたり課した各自の目標に到達していなければ、なぜ、なにが、どのように足りなかったのか、私だけでなく、皆が考えて次の行動に移していく、それが今必要なことだと思います。
そういったことを皆で確認しながら進んでいくための最初の練習はやはりエルゴにしました。とは言え、夏期合宿で行ったようなハードエルゴというより、体の使い方を意識しながら漕ぎ続けることを主眼とし、また水中の強度を生み出すことを癖付ける、そんな内容を皆に課しました。さすがに休み明けで体も鈍っていたでしょうからいつも以上にきつく感じたかもしれませんが、この練習がこれから1年間の基礎となることは伝えました。
最近、子供の教育的な考えについて学ぶことに関心を持っています。これもVoicyのとあるパーソナリティの受け売りですけど、同じ勉強をしていても差が付くのはなぜか。この方はこの疑問について分かりやすく述べてくれ、子供の学習や教育についての考え方を説いてくれます。詳しくは一度聞いてもらえると私なんかが語るよりよっぽど理解できるものかと思います。
これは部活動における練習の中身という点でも共通していることに気付きます。学びとは単に授業や勉強中だけに行うものに非ず、寝ている時間以外のすべてが学びであるという教えです。部活動でも練習をしている時間だけが、強化や鍛錬かと言えばそうではありません。もちろんこの練習時間の内容の濃淡はもちろんのこと、それ以外でも学びや姿勢で得られることは多くあります。
日常生活すべてにボートや部活のことばかりを考えるような教えをするつもりは毛頭ありませんが、意識という視点を脳内に働かせることで、日々の行動や考えも変わってくるものなのだとは思います。歩いているとき、自転車を乗っているとき、要は体を動かしているときにも何かしらのヒントはあるものです。他のスポーツを観戦したり、競技に触れたり、こうしたことにおいても効果は少なからずあるわけですから。
それを考え出す力。つまり、そう疑問をもって、考えて、行動して実践していく力そのものが必要なのだと私自身は感じています。こんな抽象的な表現では分かりづらいかもしれませんね。ただボートを速く進めることに必要なことはなんでしょうか。もちろん答えは無数にありますが、こうしたことを探求し、それらを実現するためには当然時間も要します。そして、そのものに鍛錬が必要なことも間違いないのです。
1年間。そう、1年間で今の自分を超えなければいけません。超えること自体はそう難しいことではないかもしれません。目指す先がどこなのか、漠然としたインカレというだけでなく、インカレでどうしたいのか、その答えを私自身も共に考え、進んでいかなければいけません。
いつも精神論のような当たり前のことをつらつらと述べてしまいます。でもこれはある意味、自分への言い聞かせに似たような節もあります。でもやはり彼らが目標に到達しなかったとなれば、それは自分自身の不甲斐なさでもあるわけですから、反省と後悔をしながらでも前へ前へと進んでいかなければいけないのです。
また学生らもいよいよ後期の授業が再開しました。夏期間に比べ、練習量も少なくなるからこそ、1日1日の練習の積み重ねが重要になってくるものです。まずは来月の全日本新人、そして11月の東日本新人、この二か月での成長が今後を占う意味での1つの指標となるはずです。後悔のないよう、今できる限りのことをやって当日を迎えたいと思います。
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