異動して早5ヶ月経ちました。当時は不安しかない中、初心に戻ろうと新たな職場の最寄り駅に降り立った瞬間の気持ちを大事にしていこう、そう心に決めました。
その時の気持ちはどんなに慣れが出ても、自らを律し、常に謙虚に、心に余裕を持って過ごしていこうというシンプルなものです。
今の自分にできることなど何もないのだから全てが学びであり、できることを一生懸命に。誰もが当たり前と思うことでも実にシンプルだからこそより実践できることを掲げました。
4月に入職した新入職員にも、自らの気持ちと考えは今の皆さんと同じで、今日この日の気持ちをこれから何年経っても忘れないようにしていこう、そう呼びかけました。
でもそれを実行できるのはごく僅かでしょう。この間、すでに人間関係や業務へ適応できずにリタイアする者も数名出ていると聞きます。
仕事がら気持ちだけでは乗り越えられない複雑なものもあるのでしょう。それでも志、とでも言いますか、心の持ちようは本当に大事なのだと思います。
私自身も異動後には生活が一変しました。通勤には電車を使い、土曜日もほぼ休みなく勤務し、今日のような日曜でも出勤の日々で休みという休みは月に1日、2日でしょうか。
学生らには監督は異動してから忙しくなってますよね、ブラックですね笑、なんて思われていますが、これは自分の使命感が強いだけで、それほど周りには必要とされていません。
それでも何かあった時に手を差し伸べることができること、いつでも相談がしやすいこと、皆がそう思えるように心に余裕を持って言わばウェルカム状態をあえて作っています。
ですから諸室のドアは常に開けていて、誰もがいつでも入って来やすいように心がけています。何事も自分の気持ちの持ちようで、それが相手にも伝わるものなのだと信じて、行動しているのです。
こうした気持ちというか心情は特に電車移動をしながらの時間を使って、様々な考えを聞き学んでいます。元来、乗り物が得意でないため好きな読書はすぐに気分が悪くなるのでできません。ですが、今の時代、スマホがあれば耳から学べることが数多くあります。
読書に勉強と当時の上司の口癖がありながらも本を読む時間を取ることすらままならない当時の過ごし方に比べれば、時間にも気持ちにも余裕を持てている、今はそんな生活を楽しんでいます。
日曜の渋谷でもこの時間はさすがに人混みもなく、そんなことを思い返しながら、目にした先には見覚えのある若者だなと思った相手はまさかの吉澤でした。戸田以外で会うのは互いに不思議な感覚だったと思います。
彼もこれから練習に向かうところでしたが、以前に比べ参加できないことを申し訳なく思いながらも今は安心して任せてもいられます。彼らはやらされることなく、自らの意志で行動し、目標に向かってくれているわけですから。
そして、そんな生活の中でも私自身、土日の午後は決まって練習に顔を出すようにしています。いつ休んでいるのか?よくそんなことを聞かれますが、ただただ何もなく過ごす休日より、はたまたどこかに出かけて過ぎていく時間よりも、よっぽど休めているのも今の生活です。
それだけ気持ちは晴れた中で、好きなことをできているからなのでしょう。隙間時間を使って物事を考え、整理して、こうしてブログを書く時間を楽しみながら心を整える、これが何よりの休息であり、休みになっているのだと思っています。
昨日もそんな中、練習を見に行きました。以前に比べコースには艇があふれていましたが、さすがにインカレが近づいてくるとこれからますます増えてくるのでしょう。
ちょうど昨日の通勤時には他大学のコーチと同じ車両になり、久々に話しをすることができましたが、コロナ感染で学生の多くが活動を制限されており、インカレに向けても厳しい状況だと語っておりました。
このまま無事に開催されたとしてもこれまでの努力がこうしたかたちで報われないこともあるのが今のコロナ禍なのでしょう。それも含めて『自らの運命』と彼は述べていましたが、やりきれない思いも同時に表情から察することができました。
さて、そんな当部ですが、インカレを目指す鏑木も休み明け以降、徐々に調子を上げてきているようです。まだ東日本夏季の頃のような勢いは感じないものの、これから尻上がりに調子を戻してくれることでしょう。
最近ではコース陸の反対側から伴走自転車で漕ぎをじっくりと見ています。不思議と伴走する指導者らは当然のように観覧席側の陸を往復するのが当たり前になっていますが、実はこの反対側から見える景色や漕ぎこそ似て非なるものなのです。
確かにコースを囲う柵、一方通行から来る車両、こうした障害は伴走自転車には向きません。途中、雑草や木のしげみが目的のものを遮る箇所も多々あるので非効率に思えるかもしれません。
でも実際には陸側と見え方が全く異なり、手に取るようによく分かるのはなぜだろうと考えてみると、それは目線の高さにあるのではないかという結論に行き着きました。最初は艇との距離感とも思えましたが、やはり通常の陸側から間近に見てるより、水面からのオールの高さ、漕ぎそのものがリアルに見えるので、そこで見たものをより重要視して、皆にもアドバイスをしています。
そして、今週からいよいよ二年生の鈴木、吉澤も全日本新人に向けて、ダブルでの練習をメインにスタートしました。今季は春以降、特にシングル中心でやってきたわけですが、二人の意向を確認した上で、同大会に向けては久々のコンビ復活という選択をしました。
あれは確か昨秋のクリスマスチャレンジでしたでしょうか。まだ経験も浅い中、二人でクルーを組んで挑んだ初陣はブイに跳ねられるなど、不本意なかたちで終了したようで、そのリベンジの機会がこの大舞台というかたちになるのでしょうか。
当然エントリーにあたってはエルゴ基準も設けられていますから、インカレ前に再度測定の機会は必要ながら、目標として向かっていくにはいい刺激となることでしょう。
また、レースデビューがインカレと同時開催のオックスフォード盾レガッタのエイトとなる一年生の淡路については、少ない合同練習の中、また初のスイープということもあって、悪戦苦闘しているようですが、こちらは他大学のスタッフのおかげでみるみる上達をしています。
これまで平日は私も不在であるため、また彼も土日は合同練習のため部でのエルゴは参加できておらず、直に見る機会もなかったのですが、昨日はマンツーマンで確認をする機会をもちました。
さすがエイトで基礎から教わってきているだけあって、漕ぎ方もさまになってきている様子で、まだ脚を使えない、蹴れない、力を使っている感じがしない、など競技を始めて間もない頃の疑問というか、壁はあるものの、力強さは予想通りのものでした。
それはエルゴスコアにも顕著に表れており、この数値に先輩たちは何を思うか。部の底上げのためには部内の競争意識が欠かせませんから、そこは今後も皆で高め合っていけるこもにも期待したいと思います。
とにももかくにも当部の夏もいよいよ後半戦に突入ですが、こうした楽しみばかりで、私にとっては毎日が仕事のような生活の中でも、ある意味、夏(の)・休・みになっているのです。
そして、こうした背景には毎日の練習で彼らの成長を見て取れる動画を撮影してタイムリーに共有してくれるチームアシスタントのおかげもあるのだと思い、改めて感謝していることをこの場を使って伝えておきます。
追伸
マネージャーという名称の使用は避け、当面はチームアシスタント(TA)と称して使っていきます。
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